放射線科

ごあいさつ

 放射線科は、一般診療を支える「縁の下の力持ち」の役割を果たしており、現代の医療に必要不可欠な分野を担っています。
 当院の放射線科で行う検査は、主に身体各部の状態が一目で細部まで分かる画像を得ることを目的としています。X線、電磁波などを直接身体に照射し、それらが各臓器、組織と相互作用した結果をコンピュータで計算し、画像を得ています。
また、これらの方法で写りにくい臓器、部位に対しては、より鮮明に描出できるよう造影剤を血管内に注入したり、直接飲んでいただいて行う検査などもあります。
 どのような検査を行うかについては疾患の性質により、各診療科が放射線科に依頼します。
私たちは常に良い画像が得られる様に努力していますが、患者様にも検査についてある程度の予備知識をもってご協力いただければ、さらに診断し易い画像が得られるものと考えます。また、中には放射線の副作用を心配される方も居られますが、私たちは放射線の的確な利用を心がけ、患者様にとって検査上より有効で、危険性の少ない工夫をしております


CT

体を透過したX線を検出器で受けて、各臓器や組織によるX線の吸収性の違いをコンピュータで計算して、人体の横断断層面を解剖図に近い画像として描出します。 必要に応じて息を止めていただいたり、造影剤を注入したりすることもあります。
当院ではキャノン社製80列MDCTが稼動しており、短時間でX線管球が身体の回りを1回転している間に80スライス(断面)の画像データを収集することができます。身体の中の詳細な構造を観察するためには、スライスの厚さを薄くする必要がありますが、そうすると逆に息止めなどの検査時間が膨大なものとなってしまい、従来は不可能な方法となっていました。しかしMDCTになったことにより、なんと10秒程度の1回の息止めで例えば肺などの全域を撮影できるようになりました。 その結果、単に画像が速く綺麗に撮れるということにとどまらず、これまでできなかった縦方向の画像や3D画像も検査後にコンピュータで計算させて作成することができ、従来よりもはるかに有用なものとして活用できるようになっております。


MRI

身体の各組織に分布している水素の原子核がもっている磁気による共鳴現象を利用します。 難しく聞こえますが、要するに強い磁場環境におかれた人体に、水素原子核が共鳴する電磁波をあて、その後に人体から出てくる電磁波を検出器で捕え、コンピュータで計算し画像を作ります。
当院では1.5テスラMRI装置を設置しております。MRI装置は強い磁石と電波を使って、体の内部の状態を画像化する検査です。X線を用いないので、放射線被曝がなり、優しい検査です。脳や脊髄・臓器・筋肉・関節・血管など全身領域の検査ができます。また様々な方向の断層像が得られます。当院のMRI装置は、開口径63cmで広い空間で安心して検査を受けていただくことができます。


DR

一般撮影においてこれまでのフィルムやCR(コンピューターラジオグラフィー)と違い、X線を直接デジタル画像データに変換して撮影することにより、従来より高精細な画像を撮影可能となり、しかも被曝量を低減した新しい撮影装置により、より安全に検査を受けていただくことが可能となりました。


X線TV

胃透視検査でバリウムを飲まれた方も多いと思いますが、その時の装置です。
テレビ画面に身体の中の様子が映しだされ、写真を撮ります。
当院では東芝社製のDRと呼ばれる最新のX線デジタルTV装置を導入しています。従来の機器とはまったく違う、デジタル処理された鮮明な画像を提供できるようなりました。

ZEXIRA

この装置は、最新式のデジタルX線テレビ装置でFPD(フラットパネルディテクター)を搭載しています。消化管の造影検査等、多目的検査に対応できます。特にこの装置は寝台が昇降式なので、患者さんに不安や苦痛を与えずに、短時間で検査が終わります。


骨密度検査

Horizon X線骨密度測定装置(Hologic社)

骨粗しょう症を調べる検査で、腰椎 , 大腿骨 , 全身 , 前腕骨の骨密度測定装置です。
精度の高い骨密度の検査が可能で、骨粗しょう症の診断や治療薬の効果を確認するのに欠かせません。
検査にかかる時間は5分程度で、測定結果も骨年齢で表示するなど、患者様に分かりやすくなっています。


乳房X線検査 (マンモグラフィ)

マンモグラフィとは乳房専用のレントゲン検査のことで、視診や触診だけではわからない早期のがんを発見するのに有用です。
乳がん検診では、これまで乳房の視触診が行なわれていましたが、これだけでは不十分であることがわかり、厚生労働省の指導によってマンモグラフィが徐々に普及してきています。
乳がんは30代から増え始め、40代後半で最も発症率が高くなります。そのため30歳からの自己検診と40歳からのマンモグラフィ検診が推奨されています。
乳房のしこり、乳腺からの分泌物などがあればもちろん、症状がなくても40歳以上の女性は2年に1回の検診をおすすめします。

当院では「女性技師」がマンモグラフィ撮影を行います。

PACS

当院ではPSP社製のPACS:ExtViewer PRO(DICOM画像 Web配信システム)を導入しております。
PACSとは、一般撮影・CT・MRI・血管撮影などの医療用画像データを院内画像サーバーで管理し、ネットワーク上でやりとりするシステムの事です。
PACSを導入した事により、放射線科で撮影された画像が、撮影終了と同時に院内画像サーバーへと転送されます。この時点から外来、病棟、透析、OP室のPC端末から院内画像サーバーへアクセスする事により、PCモニター上で画像を閲覧することが可能です。すなわち、画像の管理・保存が一元化され、現像・搬送による待ち時間短縮、画像の紛失・劣化の回避、電子カルテとの連動、複数箇所での同時観察および他病院への画像の提供ができるようになります。もちろん、個人情報保護法に基づいて、厳密に画像管理は行なわれていますので、ご安心下さい。